シフのベートーヴェンは最大の残念賞でした。
アンドラーシュ・シフ
ベートーヴェン:ピアノソナタ Op.109, Op.110, Op.111
強いて言えば星4つだけど...。
レコ芸で絶賛だったシフのベートーヴェン、特に最後の3つのソナタ、大絶賛だったんですけど...ゲー全然ダメでした。
なんせ9月頃に出たバッハのライブ録音のパルティータが名演だっただけに、大絶賛のベートーヴェン、期待大だったんですけどね、やっぱり人の言う事、特にポリおじさんを絶賛するようなレコ芸の批評家の言う事を真に受けちゃダメですね...
なにがイケナイか、まあこういうのも言っちゃえば好みでしょうけど、シフのベートーヴェンは枯れすぎています。
ワビサビな演奏が、秋の野原な感じなんです。シフはもっと前に録音すべきだったのかもしれないですね。とにかくベートーヴェンに必要な光の強さみたいなものがなく、枯淡な美しさなんですよ。枯れて本当に枯れちゃったアラウみたいな爺さん的演奏というより、茶人とかの美しく枯淡な境地です。
繊細で変幻自在な美しさを地味に秘めてるんだけど、これはベートーヴェンの求めてた音では無いと思うな...
でもコヴァセヴィッチも同じような歳で全集録音したけどバッチシだったからな。やっぱりベートーヴェンは枯れた演奏はすべきでは無いと信じている自分です。もちろんシューベルトもモーツァルトもそうですけどね。ベートーヴェンはとにかく突き進む光の強さが凄いんですから。それをワビサビで表現してもらっても....ということです。
残念でした。