さて、毎年秋の恒例の行事になった感のある内田光子来日リサイタル。11/3と11/7の両方行って来ました。

11/3(日)
モーツァルトピアノソナタ K332
モーツァルトアダージョ K540
シューマンピアノソナタ第2番 Op.22
シューベルトピアノソナタ第18番 D894

11/7(木)
J.S.バッハ平均律クラヴィア曲集 第2巻 第1番、第14番
シェーンベルク:6つの小さなピアノ曲 Op.19
シューマン:森の情景 Op.82
シューマンピアノソナタ第2番 Op.22
シューマン:暁の歌 Op.133


11/3は、休日かつプログラムがモーツァルトシューマンシューベルトだったため、プラチナチケット化。後半のシューベルトでは、今回も皇后陛下がいらっしゃってました。そのためか、最近は純粋に内田光子の音楽を楽しむ人以外の、社交行事目的なミーハーな年配の方が増えて来た感もあって残念。

最初のモーツァルトピアノソナタは、プログラムのオープニングという事もあるのだろう、内田光子にしては直球で骨太な演奏。もう少し、魔法のような瞬間を第2楽章あたりで期待していたのだが、あくまでも均整のとれた楷書体の演奏だった。
その後に続き、内田光子の得意とするアダージョK540では、モーツァルト短調の世界を精神的に深く掘り下げ、スケール大きく展開していて素晴らしかった。この曲が良いブリッジになり、シューマンシューベルトの世界へつながってゆく。

前半最後のシューマンピアノソナタ第2番は、スケールの大きい実に素晴らしい演奏だった。急ぐシューマンの前のめりな音楽の中に、大きなうねりを作り、その中でメロディを確実に歌わせ、音の

スティーヴン・コヴァセヴィッチ&読売交響楽団 @オペラシティ 9/5(月)

シルヴァン・カンブルラン(指揮)

Allベートーヴェン プログラム
・「エグモント」序曲
・ピアノ協奏曲第4番
交響曲第7番

さて、コヴァセヴィッチのベト協が遂に聴ける!と興奮して行ったのですが...

コヴァセヴィッチ、もう引退した方が良さそうでした。体調とかもあるんでしょうけど、あそこまで演奏に波が出るようになったらもう引退した方が良いかと思われました。指も回ってないし、ゆっくりした静かなところでも音がコントロールしきれていなかった。結構堅い大ぶりな演奏を展開していたと感じました。

本人も拍手している観客に「あまり上手く演奏できなかった」的な微妙な表情でありました。
一応アンコールでパルティータ4番からサラバンドか何かを演奏してました。こちらは非常に素敵な演奏でしたね。

日本のオーケストラに全然期待してなかったのですが、読響は良かったです。
バランスが良いし、演奏がキビキビしっかりしてる。もうちょっとベースが強いと良かったんですけどね。
でも、指揮者のシルヴァン・カンブルランが良かったのかな、スッキリした運びの良いエグモントと交響曲で凄く良かった。交響曲の第二楽章がちょっと見通し悪くなってたところがいくつかあったけど。

交響曲の時は、コヴァセヴィッチが私の斜め後ろ4メートル辺りに座って聴いていました。一言言ってあげたかったな。
「今までの素晴らしい演奏とレコーディングの数々、ありがとう」

気になる公演、購入したチケット等

シフの公演が良かっただけに、やっぱりライブ演奏だよね、なんて次の優良公演を探してたらありました!!!!

コヴァセヴィッチ来日。

でも、残念ながらリサイタルではありません。9/4-5に読売交響楽団とでベト協4番を演奏します。当然自分はチケット購入しましたが、読売の楽団には悪いけど、コヴァセヴィッチのレベルならもっと良いオーケストラとやって欲しかった... 残念ながらコヴァセヴィッチの人気と知名度は日本では圧倒的に低いらしく、前回のリサイタルもSで6000円だったし... 安く聴けるのは嬉しいけど超一級レベルの演奏家だけに複雑な気持ちです。キーシンポリーニなんかのリサイタルの3000円分をコヴァセヴィッチに回しても良いんじゃないですかね?

その他に購入したチケットは5月のゴールデンウィーク明けのTOPPANホールでのテツラフのリサイタル。テツラフは特別好きなヴァイオリニストという訳ではないけど、なんせ五嶋みどりのチケットが本当に「アッ」という間に売り切れてしまったので、その他の一流ヴァイオリニストを探してたらテツラフがありました。しかもベートーヴェンの後期ヴァイオリン・ソナタのプログラムだったので。いや〜、ベトの後期ヴァイオリン・ソナタは特別好きな曲なので楽しみですわ。他に目ぼしい公演ではヒラリー・ハーンとかもあったけど個人的に彼女の演奏は苦手だしね。ムターも高すぎて行く気も起こらないし。

買う訳無いけど思わず笑ってしまった興味深い公演としては横山幸雄×假屋崎省吾「ピアノと花の華麗なる世界」 だって。横山さんまさかゲイじゃないよね...いや別に假屋崎と組んだからじゃなくって、この公演のタイトルが余りにも...女子というかオバさんチックだから。ま、クラシック界の人達も食っていくには世のオバサンやら音大女学生みたいなのを喜ばしたりしなくてはイケないので大変ですね。

さて、今年の秋の来日公演が気になる内田光子ですが、まだプログラムは未定。予想の大本命はシューベルトの最後の3つのソナタで決まりでしょう。本人もシューベルトの最後のソナタをやりたいとサントリーの主催公演の会見で言ってたしね。
最近の内田さんのプログラムは主にシューマンダヴィッド同盟舞曲集と幻想曲、ショパンピアノソナタ3番、ベートーヴェンピアノソナタ「月光」と27番等が中心に組まれてましたが、なんと今年の夏のヨーロッパ公演を見てみるとシューベルトの最後3つのソナタが組まれています。一番好きな作曲家がシューベルトなので、内田さんの日本公演もシューベルトだと願いたいですね。

コヴァセヴィッチとは逆に最近の内田さんの日本での騒がれっぷりが余りにもミーハー過ぎて、チケットが毎年どんどん取りにくくなってるので困ったものです。去年のリサイタルではそれこそ仮屋崎が来ていて、???な感じでしたが。個人的に假屋崎のセンスの悪さにいつも閉口させられてるので、内田光子とか無理に聴きに来ないで欲しいぐらいなんですが。そういう社交界のオバチャン達にチケットが回ってしまって困りますね。まぁ、元々クラシック音楽ってのがそういう所から成り立ってる芸術なので仕方がないとは思いますけど。

アンドラーシュ・シフ リサイタル

アンドラーシュ・シフ リサイタル 2011/2/15
オール シューベルト・プログラム
東京オペラシティ タケミツメモリアルホール

・D780 楽興の時
・D899 即興曲
・D946 3つのピアノ作品
・D935 即興曲

今回の来日でシフはオールシューベルト以外にオールバッハ(平均律)、オールベートーヴェン(最後の3つのソナタ)のプログラムを行なっているんだけど、行きたかったバッハがソールドアウトだったのでシューベルトを購入したわけです。でも結果的にシューベルトプログラムがやはり一番正解だったかもしれない。

シフのリサイタルを聴くのははカーネギーでのオール・モーツァルトプログラム以来10年振りで、その時は変なモーツァルトだなと大して感動しなかったのですが、今回は...結果的には最高でした。プログラム前半は全然イケてなくて心配してたら、後半で見事にシューベルト弾きとしての面目躍如以上の最高の演奏をカマしてくれました。

前回の見たときは既にヨボヨボのおじいちゃんの印象で、10年経ってどうなることやら心配してたのですが余り変わらずの見た目で舞台に現れたシフさん。まずは楽興の時。
最初はフツーに聴いてたのだけど、余りピンと来ない。彼の楽興の時の録音は良いので当然ライブで凄い演奏を期待していたけど、今日のシフ先生は何かボンヤリしたピンボケの印象。感心したのは第三楽章のリズムのアクセントの上手さぐらいで、その他は「ふーん、上手い素人とどこが違うのだろう?」とか感じてしまった。この曲は技術的に簡単すぎるぐらいなので、プロが「そこそこ」の演奏をしてしまうと痛い。(ま、アラウみたいに小学生よりも酷い?みたいな楽興の時を録音してしまうプロもいるわけだけど...)ピアニズムと表現力が問われてしまう曲なだけに、シフのこの演奏は「へぇ〜」で終わってしまった。

次の即興曲(D899)も...結構上手いんだけど、極上のシューベルトでは無く、ビシっと刺さってこない。この即興曲の一曲目なんてのはシューベルトの人とやらを凄く表していて典型的な後期の彼の曲の展開なんだけど、シフの演奏は何だか全ての角が取れてしまっている印象。2-3-4曲目は柔らかく美しさが目立っている曲だから何とか綺麗に乗り越せた感じ?

前半の問題の多くはシューベルト演奏で最も大事な要素の1つである「和音のバランス」が悪かったこと。シューベルトの音楽はとても繊細。しかも彼独特の世界は3度5度の組み合わせからメロディが移り変わる様。これは和音の各音がバランス良く柔らかく発音されないと難しい。内田光子なんかはここをかなり気を付けていて、シフは割とこの辺りをメロディ重視で軽視してる傾向があるのだけど、今回はさらに悪くて和音のバランスだけでなく右手と左手のフレーズのバランスさえも崩れていたと思う。メロディ先行で弾いていて変にフレージングを崩した所に左手が上手く噛み合わず...と来たので「今晩は失敗かも...」と先行き重い感じの前半でした。

ところがです。後半の演奏はまるで別人?というか、一曲ずつ調子を取り戻したというべきなのか、最後に向けてどんどん凄くなっていきました。

3つのピアノ作品(Drei Klavierstucke)は音のバランスや全体の骨格も繊細かつシッカリしてきて、コントラストやレンジといった部分も素晴らしい。いや〜、シューベルティアンの面目躍如!と思ってニンマリしてきたところに最後の即興曲が始まるともう顎が外れるほど素晴らしく、息をするのを忘れるくらいでした。

実際、こういう時に会場の観衆も同じ反応をするもので、即興曲の最後の曲になるとそれまで隣でスーハースーハー荒い息をしていたデブのオジサンさえも無音に!会場全体も真空になってましたね。とにかくD935でのシフは凄すぎて言葉に出来ないほど。音楽が限りなく柔らかく自由自在でシューベルトの想像の世界に連れてかれるような感覚に囚われてしまい、演奏が終わった時には初めて空を飛んで地上に戻ってきた時に出るようなため息しか出ませんでした。

それからシフの演奏と言えばベーゼンドルファー。内田さんやコヴァセヴィッチのようなスタインウェイのビシバシキラキラの音も素晴らしいですが、古いベルのような音のベーゼンは生で聴いてもやはり美しい。キーンと一直線に届かずに広がるベーゼンの音は味わい深くシューベルトの音楽にも合ってる。一応、演奏会が終わった後で舞台に行って撮ってしまいました...私は楽器に疎いのでインペリアルかどうかはわかりませんが...

アンコールのハンガリアンメロディ(D817)とグラーツギャロップ(D925)も柔らかく極上のデザートのようで、まぁアンコールだから余裕なのは当然なんだけども。
彼の演奏の何がグレートだったのか説明できれば良いのですが、こればっかりは行った人だけが共有できるものだし、本当に連れていかれてた感覚だったので何とも説明のし難い演奏でした。作曲家の中で一番好きなシューベルトのこの即興曲を聴けただけでも9000円の価値はありましたね。

内田光子:シューマンの録音

発売時にすぐに買ったのだけど、なかなか感想を書かずにだらだらと楽しんでました。

内田光子にとって15年以上前の「クライスレリアーナと謝肉祭」以来のシューマンの録音とのことで、久々のシューマンは内田ファンとしても特別な期待があったかな。
クライスレリアーナと謝肉祭の演奏も素晴らしく(特に謝肉祭が良かったと思う)何度も聴いてる愛聴盤だけど、今回のダヴィッド同盟舞曲集と幻想曲はさらにより彫りの深い自由な演奏を展開していて、内田光子という演奏家自身のイマジネーションと作曲家に対する真摯な思いや向き合い方に改めて感心し、シューマンの音楽についての演奏表現に対する多様な可能性というものを考えさせられた。

今回の録音ではダヴィッド同盟舞曲集の方が内田光子に合っていると個人的には思う。幻想曲ももちろん素晴らしい演奏ではあるけども、ライブでのみ耐えうる表現の濃さのようなものが破綻寸前の限界までに達しているためシューマン内田光子という双方の滑稽な部分やアンバランスさが目立ってしまうのだ。それと較べてダヴィッド同盟舞曲集や謝肉祭は各曲の短さや性格の多彩さが内田光子の圧倒的な想像力豊かな演奏にも耐えうるタイプの曲で、すんなりと曲の素晴らしさが浮き彫りにされている。

多分今回の内田光子シューマン独特の彼の現実逃避的な浸り癖のような部分を120%表現したかったのだろう。幻想曲になるとそこにウィーン風な濃い味付けもついているので自分にとっては多少キツく感じられたのかもしれない。

ただどちらの曲にしても内田光子の表現の比類無い美しさがシューマンの繊細な響きをさらに昇華させていてため息ものだったのは確かで、幻想曲にしてもライヴで感じた没頭し過ぎな所も多少は抑えられている為、全体のバランスはきちんとあるので安心して(笑)楽しめるし、幻想曲の終わった後の余韻は今までの他の演奏家による幻想曲には無いレベルのものだった。

ちなみにBBCラジオでのインタビューで、内田光子はこの録音について本来は彼女の2台のスタインウェイをそれぞれの曲に使うつもりだったのだと言っていた。
シューベルト録音に使った彼女の1962年のスタインウェイは極めて繊細な音を可能にしてくれるのでダヴィッド同盟舞曲集に、もう一つの1990年代の大きなスタインウェイは彼女曰く若々しくてパワーがあるので、よりスケールの大きな幻想曲に合っているのだと。ところが録音してみると幻想曲にも1962年のスタインウェイの表現力が必要と感じ、音の力強さには限界があるけども敢えて繊細な表現を優先したのだとか。

ま、何にせよ表現を信じて可能性を広げる素晴らしさを感じさせてくれた録音だったと思う。

コヴァセヴィッチ シューベルト D959

コヴァセヴィッチのシューベルト ピアノソナタ20番 D959をやっと手にいれたので感想を。
最後のソナタである21番 D960の録音が内田光子と双璧の完成度だったので是非手に入れたいと思っていた録音です。


演奏はやっぱり超A級で満足ゆくものだけども、内田光子のD959ほど感動はしなかった。
コヴァセヴィッチの演奏は全体のテンポ感を揺らす事無く統一感を持ってバランスも素晴らしい。
でもこれが何かが足りないと感じられた理由かもしれない。


内田光子のD959は第二楽章で正気を失って崩壊寸前まで行くような危うさを最後の美しい第四楽章まで残している。4つの楽章それぞれが全く違う性格として演奏されつつも個人の感情のストーリーとしてバランス良く展開していた。しかもシューベルトの暖かみを求める情感と崩壊寸前の部分とが背中合わせになっている楽曲の魂を実に良く捉えている。


コヴァセヴィッチのD959はとにかく美しい。シューベルトのどんな破壊的な慟哭をもこの世の音とは思えないペダルを効かせたスタインウェイのクリスタルな音で紡いで行く。どんな強烈なアタックも余りにも美しくてうっとりとしてしまう。そこからシューベルトの音楽の傑出した美しさは見られても、作曲家が現れてくるようには感じられなかった。


カップリングされていた楽興の時がこれまた美しい。
内田光子同様この人も聴き手をハッとさせるフレージング満載で、フレーズの切り替えで音をフワっと変えて行く身振りが本当に美しくて、決して濁る事の無い透明な氷の世界でのシューベルトが味わえる。


楽興の時の演奏で一番好きなのはアンドラーシュ・シフ
シューベルトの小品を弾かせてこの人の右に出る者はいないと思う。シューベルトの小品には地獄的もしくは破壊的な部分は無く、冬の陽光に感じ入るかのような作曲家の暖かみを感じられる。内田光子やコヴァセヴィッチの演奏には何か黒いものが潜んでるのだが、シフの演奏の暖かさが小品のシンプルな美しさを救っている。


気になったのが録音の残響の大きさ。とにかくリヴァーヴが凄くて、ペダリングをたくさんかけるコヴァセヴィッチには余り必要ないのではと感じられた。

内田光子 2010/11/16(火) サントリーホール


内田光子 クリーヴランド管弦楽団
サントリーホール
モーツァルト:ディヴェルティメントK.138、ピアノ協奏曲第20番・27番


今年はチケット争奪戦が一層激しくなった内田光子の弾き振りクリーヴランド、なんとか観に行けました。
モーツァルトの中でも特に有名曲揃いなプログラムでしたが、ますますヤリタイ放題な内田光子を観られましたね。素晴らしかったと思います。実は内田光子弾き振りwithクリーヴランドは8年前にカーネギーホールで20番と21番を聴きに行ったのですが、この時は今回程素晴らしいとは思わなかったのですね。


さて今回の席はSでも初めての2階中央席でした。音は残響が結構ありつつもこもっていて、ホールのセンターに膜がはってあるかのような音はとてももどかしさを感じましたね。やっぱり2階のSの両端(サイドウィング)が一番良い響きかなと。


クリーヴランドの音とマナーはやはり全米屈指でした。ニューヨークフィルなんかより弦の音というか感度が良いと思う。内田光子の方向性や音楽性なども影響してるかと思うけど、品があって柔らかくかつ溌剌としたモーツァルトを聴かせてくれました。


内田光子の演奏ですが、ハッキリ言えば自分は指揮者がいる方が内田光子のピアノ演奏は良いと思う。でも、オーケストラを含めた音楽全体はとてもイキイキとしていて素晴らしかった。
20番はかなりトンガッタ演奏を繰り広げていて、たたみかけるような前傾姿勢が強すぎて息が詰まる用な走り方をしていたのがとても気になった。でも時折見せる微妙な表情の変化や全体のうねりを熱く繰り広げる辺りはやはり内田さんだな〜と。隣で聴いてたウチの母親も、「内田さん、ちょっと音が速く展開しちゃって空気感が...」と言ってて、暴走気味なところが気になったよう。なんか20番の弾き振りでの内田さんの暴走傾向は年々強くなってる感じがするんだけど、今日サントリーで買った新譜で同じ20番のライヴ録音を聴いたら割と落ち着いていたのでチョット安心。


逆に27番なんかは非常に大きく構えた立派な演奏で、その中にあり得ないような柔らかい音でひたすら音楽を紡いで行くという天井の音楽になっていた。こちらの演奏の方が断然自分好みだったけど、内田さんは20番と27番のコントラストをプログラム的に考えてここまで演奏を変えていたのかも。(もしくは内田さんのこの2曲への感じ入り方が全然違うのかも...)
最後の大きなカデンツァなんかも本当に素晴らしくって、顎が外れるかと思いましたね。


これまでの内田さんのモーツァルト演奏より今回の違うところは、一つ一つの音符をかなりカツゼツ良く強めに発音していたこと。
大きく構えた立派な演奏に聞こえたのは、27番のテンポ感とこの発音のせいかもしれないな...


ということで母親と二人で19000円以上に堪能した演奏会でありました。
ベートーヴェンの4番を聴きに行ける皆さんがうらやましいです。

あ、それから今回は有名人で假屋崎が来てました。
あんなセンスの無い人が内田さん聴きに来るなんて意外&心外に思ったんだけど、きっと内田さんの演奏会も金持ちの社交場と化してるからオバサン連中に誘われたのかな、と邪推したりして...


ラドゥ・ルプーの演奏会がキャンセルされて残念に思ってたので、今回の内田さんので見事気分も挽回。
来年の内田さんのシューマンシューベルトは絶対S席のサイドをゲットするべく頑張ります。