gtyo2006-08-23


モーツァルト ピアノ協奏曲 23番&26番
ピアノ:フリードリッヒ・グルダ(Friedrich Gulda)
ニコラウス・アーノンクール指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
評価:★★★★ (4.5星/5が満点)


グルダっていうと、Amadeoからのベトのソナタ全集を持っていて、それが自分にとって思いっきり「つまらなかった」ので(グルダファンからのヤジが凄い飛んでるのが今見えるようです。笑)このピアノ協奏曲も決定版の評価らしいのですが、今まで全然聴く気が起こらなかった。どうせ、レコ芸とかのアホな批評家がまた「でまかせ」ほざいてるんじゃないかと思って。笑


結果から言えば、こちらの間違いでした。自分の決定版にはならないけど、素晴らしい演奏の一つではあると思う。この盤の特徴はやはり、アーノンクールグルダがいわゆる「これぞウィーン的」(?)とでも言うんですか、とってもおいしいクセのあるアクセントによる動きあるモーツァルトになってること。リズムなんかも、下品にならない程度のスパイスが強調されていてとても素敵だ。


グルダのピアノもベトで見せた味気のない音楽ではなくて、割としっとりした味わいある演奏。個人的な好みでは、ペダリング効かせすぎかなあ。音が終始にじんでる、と言うのか。アーノンクールのリズミックなオケの響きと合ってないと思う。例えば、弦の流れをもっと強調した上品なベルフィルだったら合うかもしれない。この辺りが一番気になったところ。


モーツァルトの音楽って、表情や流れがコロコロ変わったりするところが結構魅力の一つだと思うのだけど、グルダは全体的な流れに身を任せてるというか、大きくとらえていて、もうちょっと細部の表情の変化を表していると、もっと面白いんじゃないかなあ。ただ、カデンツァ部分になると別で、多分グルダのオリジナルと思われるんだけど、もう「素晴らしい」の一言。色々な人のオリジナルカデンツァを聴いても今までピンとこなかったけど、これはカデンツァ自体も演奏も最高。


次は是非20番も聴いてみたい。アバドとのモツ協もあるらしいが、アバドよりアーノンクールの方が合ってる気がするけど。どうなんだろうねえ。